「♪♪〜!」
少女は下着姿で鏡の前で鼻歌を唄いながら服を選んでいた。
「フンフンフ〜ン、今日はどれにしようかな?」
少女は洋服を次々に出し体に合わせていく。それだけで楽しい時間、顔が微笑む。
「今日はシンジとデ〜ト、デ〜ト!」
シンジという子とデ〜トらしい、その子の事を考えるだけでも楽しいらしく。鼻歌はつきない。
「遊園地に行ってご飯食べて、それからそれからキャ〜!」
都合のいい方に考える性格らしい。顔を真っ赤に下着姿のままイヤンイヤン。
「う〜ん、まようわね」
床に気に入った服を並べ腕を組んで悩む。
「どれにしようかな・・・・」
一着づつ確認しながら選んでいくが、なかなか決まらない。
「やっぱり、これかな」
10分悩んだあげく、右端の一着に決まったようだ。それは真っ白なワンピース。
「思いでもあるし、シンジとのデ〜トはこれでなくちゃ!」
何か思い出があるらしく懐かしそうにワンピースを眺めて着る。着替え終わると鏡の前で一回転してスカートがフワっと舞う。
「今日も似合っているわね」
少女はリボンがアクセントの帽子をかぶると、時間を確認して急いで家を出た。
「うわあ〜遅刻しちゃう!」
CANDY GIRL
「はあはあ、はあはあ」
雲一つ無い晴天の下、少女は走った。待ち合わせの時間に遅れるのだろうか?何度も時間を確認して走る。
「はあはあはあ、初めからこれにすれば良かった」
服選びに時間がかかった事を何度も後悔し走る。しかし女の子は服選びに時間がかかるので仕方が無い。
「はあはあはあ、あと5分。シンジもう着いているかな」
額に清々しい汗を掻きながら少女は全速力で走る。
「はあはあはあ、もう少しね。ここまでくれば大丈夫だわ」
もう少しであるのだろうか。少女の顔に笑顔が浮かび上がる。
「ようし!全速力!キャア〜」
スパートをかけたと同時につばの広い帽子に風が当たり、フワっと帽子が後ろへ流される。
「わ〜!待って!」
飛ばされた帽子を追いかけて逆戻り、叫びの声もむなしくどんどん流される。
「待ってよ〜〜、遅刻しちゃう〜〜〜〜〜」
「まだかな?」
駅前の噴水広場、少年はベンチに腰掛け腕時計を見る。時間は午前10時10分。
「遅れるなんて珍しいな」
少年はポケットから財布を取り出し、札入れの中から何かのチケットを二枚だした。
「楽しみだな」
遊園地のチケット、今日の事を考えているのだろうか少年は微笑む。
「?」
チケットを見ていた少年の頭付近が暗くなった。何事かと思い顔を上げてみる。
「ぜえぜえぜえ、シンジ・・・待った?」
この少年はシンジという名のようだ。先ほどの少女が帽子をがっしりと手で掴んで、肩を上下に息をして汗だらけで立っていた。
「う、ううん、今きたところだから・・・それよりマナどうしたの?汗だらけだよ」
そしてこの少女の名前はマナ。シンジはお決まりの台詞を言いマナの疲れ切った状態に汗をかきながら疑問に思った。
「ぜえぜえぜえ、ちょっと帽子を飛ばされちゃって。追いかけたら遅れちゃったのごめんね。ぜえぜえぜえ」
「いいよ。はいハンカチ」
シンジはハンカチを取り出すとマナに渡した。
「ありがとう」
ハンカチで汗を拭きながら、息を整える。
「大丈夫?少し休もうか」
「平気よ。それより行きましょう」
マナはハンカチを返すとシンジの手を引っ張って駅に入った。今休んだら、次の電車の時間まで待たなければならない。早く遊びたい気持ちがマナを動かす。
「ふう〜涼し!」
電車に乗った二人は楽しげな会話に入る。
「今日は楽しみだね」
「うん、今日は朝6時に起きてシンジの為にこの洋服をきてきました」
マナは立ちあがるとシンジの前で一回転。誰も乗っていないので照れる必要はない。
「あっ!それって」
シンジは何かを思い出したようだ。
「うん、初めてシンジとデ〜トした時に着てた服だよ」
マナはニッコリと微笑む。
「に、似合うよ」
笑顔に照れるシンジ、顔は真っ赤である。
「あれ?シンジどうしたの顔が真っ赤だよ」
「な、何でもないよ」
「ふ〜ん」
(マ、マナの笑顔、可愛いな)
こうしてシンジは照れながら、マナは楽しみにしながら電車は遊園地を目指した。
ついに短編SSにマナ登場です。jun16的設定は記念SSのその後です。
ちなみにこのSSは世間で言うところのLMSです(他のキャラは出ませんしね。甘くないしLMSじゃ無いですね^^;)
これからはマナも頻繁に出すつもりです(アイディアがあれば)これでマナファンの方々も大丈夫ですね(意味不明)
記念SSではアスカとばかり絡んでいましたのでレイとのSSも描きたいと思っています。
さあ!マナファンは心して読もうぜ!
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION CANDY GIRL